日々のお手入れ

April 19, 2022
Written By Tetsu

経年劣化による革底や、かかとのすり減りは、修理をすれば何度でも元通りに直すことができます。一方、アッパー(革靴の底以外の総称)は、そっくりそのまま交換することや、大きな穴を塞ぐといったことが難しい場合もあるため、大切に扱う必要があります。逆に言えば、日々きちんとアッパーの手入れをしながら履き続ければ、その靴の寿命は10年にでも、20年にでもなります。

革靴のメンテナンスや、革靴磨きに関しては、ネット上に様々な方法やグッズの情報が溢れており、”やりだすときりがない世界”でもあります。楽しんで出来る方は、情報を集め、自分なりのスタイルを確立してみて下さい。また、靴磨きのプロもたくさんいるので、一定の期間ごとにプロにお任せするのもオススメです。

この記事では、FYSKYの革靴を履いて頂くうえで、最低限お願いしたい日々のお手入れと、オススメの道具の紹介、その他の注意点をまとめました。

■ホコリや汚れを落とす
革靴を1日履いて外出すると、ホコリやチリが靴の表面に付着します。そのままにしておくと、革の水分や油分を奪い取り、乾燥の原因になります。家に帰ってきて玄関で靴を脱いだらまず、馬毛のブラシで靴全体をまんべんなくブラッシングし、表面のホコリや汚れを落としましょう。
※オススメ:SAPHIRのブラシ(馬毛)

■シューズキーパーを入れ、乾かす
人は1日に片足からコップ1杯分の汗をかくとも言われています。シューズキーパーには、除湿・脱臭・型崩れ防止の効果があります。左右の形を確認し、片足ずつ、つま先からぐっと押し込みながら革のシワがしっかり伸びるようなイメージで挿入します。その後は玄関の陽の当たらない場所などに置き、しっかり乾燥させましょう。スニーカーの様に、晴れた日に直射日光の下に干したりすのは厳禁です。

■スムースレザーのケア
定期的に革に栄養を与えましょう。SAPHIRのビーズワックスファインクリームは、天然のアーモンドオイルやビーズワックスをふんだんに使った入荷生の革靴クリーム。世界中で使われていて、クオリティが高い割に安価なのでオススメです。靴に付着した土やホコリを馬毛ブラシで落とした後に、このクリームを塗ります。豚毛ブラシに直接クリームを付けて、そのまま靴全体をブラッシングしていきます。余分なクリームを取り除きながら満遍なくクリームを伸ばし、革に浸透させます。革がツヤを帯び、光沢が出てきたらokです。頻度は月に1度程度、大凡10回程度履いたらおこないます。あくまで目安ですので、履く頻度や靴の様子を見ながらペースを掴んでみて下さい。
※オススメ:SAPHIRのブラシ(豚毛)
※オススメ:SAPHIRのクリーム

■起毛革(スエードやヌバック)のケア
シミが目立ちやすい起毛革を、雨や汚れから守る為に有効なのが、防水スプレーです。SaphirNoirの防水スプレーは、ヨーロッパのハイブランドのレザーケアに使われることを想定して開発されたプロダクトで、防水効果が高く、革への負担も少ないことが特徴です。新しい靴を初めて外で靴を履く前、またその後は汚れが心配な日の前日などに作業をおこないます。馬毛ブラシで全体のホコリをはらい落としてから、靴から20cm以上離した位置より全体にムラ無くスプレーして下さい。乾燥するまで、最低でも30分は履かずに放置しましょう。
※オススメ:SaphirNoirの防水スプレー

出かける前、起毛革のお手入れ用につくられたこちらのステンレスブラシで、毛並みを整えるのもオススメです。少したたくようにブラッシングをすると、寝てしまった毛を立ち上げることができます。
※オススメ:columbusの起毛革用ブラシ

注意点

■履く頻度
一度履いたら1~2日ほど休ませましょう。革靴は湿気が乾くまでには半日〜1日ほどかかります。連日湿った状態で靴を履くと劣化を早め、寿命を縮めることになるので、休ませてあげることが大事です。

■靴を履くときの注意点
靴べらを使わず無理に足をぐりぐり押し込んで履くと、靴のかかと部分に負担がかかり、型崩れの原因になります。革靴のかかと部分は傷みやすいので、革靴を履くときはなるべく靴べらを使用する様にしましょう。

■雨の日
革靴にとって、雨は天敵です。雨が降ると分かっている日はなるべく履くのを控えましょう。突然の雨にあってしまった時には、靴が濡れた状態の時に、つまずいたり、硬いものを蹴飛ばしたりしないようによく気を付けましょう。水分を含んで脆くなったアッパーは、普段よりも傷付きやすい状態になっています。雨に濡れてしまったら、帰宅後のお手入れも大切です。まずはアッパーの水分をタオルなどで拭き取ります。ドライヤーで軽く靴の中の水分を乾かし、新聞紙を靴の中に入れるなどして、出来るだけ早く靴の内部を乾かしましょう。その後は風通しの良い場所に日陰干し、完全に乾いたらクリームで栄養を与えます。

スニーカーやサンダルと違い、お手入れに一手間かかる革靴ですが、大切に履くことでシワや光沢など、個性豊かな経年変化を楽しむこと出来ます。また、ハンドソーンウエルテッド製法でつくられたFYSKYの革靴は、多くのパーツの修理や交換が可能です。あまり神経質になることなく、たくさん履いて下さい。そして、何か不具合やお困りのことがあれば、いつでもご連絡下さい。